1984年のリリース以来、多くのお客様にご愛顧いただいているECADシリーズ。第7世代となるECAD DCXも登場からすでに10年近くの年月が経過しております。
今回はECADシリーズがどんな製品か、さまざまな視点から改めてご紹介したいと思います。
■制御設計・受配電盤設計のための、2D CADシステム
約40年にわたり、電気設計を手がける技術者に向け開発を続けてきたECADシリーズ。現場の課題に即した機能を豊富に搭載しているのが特徴です。
特に生産性向上に寄与する機能は、特筆すべきものがあります。
・シンボル配置時の自動トリム
・多相線の一括入力
・リファレンス自動転記
・線番の自動入力
・尺度を持った作図
これらの専用コマンドを活用することで、効率的に設計を行うことができます。
実はこのコマンド、汎用CADにはあまり見られないものです。
■汎用CADにはない、ECADシリーズの強み
汎用CADでは尺度の考え方が無いため、異なる尺度の図面を1つの図枠内で混在させるには様々な工夫が必要です。一方ECADでは図形が尺度の考え方を持つため、尺度を持った図面の作成や異なった尺度の1ページ内での混在などが容易です。
他にも一般的にシンボルデータは、汎用CADではすべて自作する必要があるものの、ECADでは回路設計用の図記号を豊富に提供しています。
他にも意外と皆さまがご存知ではないECADの強みは、豊富に存在しています。ここからはその優位性について、機能別にご紹介いたします。
・ドキュメント管理
ページ間の情報の整合性を確保するためには、一般的に個別に目視確認が必要です。一方ECADはシステムが自動で整合性を担保します。
物件管理も容易です。ECADは必要なページ構成を必要なページ順で1ファイル内で管理できます。一方汎用CADは別ファイルとなっており、構成管理もページ管理も都度手作業が必要です。
ページ共通の表題欄項目も、ECADは一元管理・一括入力が可能。汎用CADは1ページ毎、1項目ごとに手作業で入力しなければなりません。
・情報管理
設計情報の管理および整合性の担保についても、優れた点がいくつも存在します。
汎用CADではすべて人が管理しますが、ECADでは図面内の設計情報がページを超えて一元管理され、DMT上で一目で全体像を把握できます。また図面内で管理した情報から図面の各部にジャンプでき、設計情報の整合性の確認も容易です。
なおECADは管理した情報に抜け、漏れ、重複などの不整合を自動でチェックする機能も有しています。これにより、図面の品質を大きく向上することができます。
またECADでは管理している情報を使用して設計に活用でき、情報展開の面でも優位性を持ちます。
例えば、
・設計した結果から外形レイアウト用のシンボルを一括で呼び出す
・端子配列図の自動作成
・ピン接続リストの自動作成
などが可能となっています。
・標準化
設計環境の一元化も容易です。シンボル・マスタは、必要な設計環境を定義しておくことができ、設計者全体で共通の設計環境での作業がしやすくなっています。
パターンは使用頻度の高い回路などをテンプレート化し、設計者で共有して利用できます。フォーマットなども、図枠などの図面のフォームや文字等のサイズなどを標準化して登録しておくことができ、図面表現の標準化が容易です。
マスタを作成することも可能です。設計情報の標準化がしやすく、またマスタは設計者で共有できるため設計効率も向上します。
なお汎用CADでは、個別に手作業またはコピー・ペーストが必要です。ちなみにマスタの作成は、一般的な汎用CADにはない機能です。
・情報連携
出力の面でも優れています。部品情報は図面内のBOMから部品リストを自動出力。手配など後工程で利用できます。
接続情報も、ECADではFromTo情報が自動作成され、製造で活用することができます。
(繰り返しになりますが)一般的な汎用CADでこれらの作業を行う場合、目視確認し手動で拾うこと、また、回路図が理解できる技術者が目視で回路を追い、手入力で接続を作成する必要があります。
■互換性も高く、リプレイスしやすい
これまで、
・ドキュメント管理
・情報管理
・標準化
・情報連携
から、ECADの優位性について紹介してきました。
なお、ECADは非常に高い変換精度で、DXF/DWGファイルに出力可能です。また取込の際は複数のファイルを1ファイルにまとめることができますので、出図の効率が大幅に向上すると言えます。
ECADへのリプレイスや導入をご検討される場合、これらの点は大きな安心感となるでしょう。
メカ設計など2DCADとして、汎用CADに遜色ない機能を有するECAD。機器のレイアウトにおいては整列機能など生産性が向上する機能もあり上回る部分もあります。
もしECADとECADシリーズに少しでもご興味を持たれましたら、ページ下部のお問い合わせからお気軽にご連絡下さいませ。