「ECAD 2023」は電気設計専用CADソフトECADシリーズの最新バージョンです。このバージョンでは、制御盤・受配電盤の設計だけでなく製造工程まで劇的な効率化を実現する機能が、標準搭載されているのが特徴です。
電気設計の効率化を実現する機能を標準搭載
その1)「キャビスタ連携」でキャビネットの手配を効率化
その2)部品点数200万点超 「ECAD Library」で設計を効率化
「キャビスタ連携」「ECAD Library」ともに、一部のお客様は既にご活用されておりましたが、このバージョンからは標準搭載されました。
キャビスタ連携とは? (DCX・dio共通)
「キャビスタ」とは、キャビネット加工の工程を効率化する日東工業(株)のキャビネット穴加工図面作成Webシステム。ECADで作成した穴加工図をデータ送信することで、Web上で加工済み標準キャビネットの見積り作成や発注ができます。
設計後の後工程を劇的に短縮できることから、導入済みの現場ではタイムロス削減に貢献していました。しかし、旧バージョン(〜「ECAD 2022」)では、専用サポートサイトから連携システムプログラムを別途ダウンロードしインストールする必要がありました。
新バージョンでは、このプログラムを標準搭載。シームレスなアクセスが可能となり、キャビネット発注の効率化が実現できます。
キャビネット発注の後工程を効率化する新機能も
キャビスタ連携標準搭載に加え、電気設計と後工程を効率化する新機能が搭載されます。
■ECAD上でキャビネットを検索・配置できる
エディタから日東工業のキャビネットを検索し配置できるようになりました。今までは、日東工業カタログサイト「N-TEC」にアクセスし、必要な図面をダウンロードする必要がありましたが、このステップが削減されます。
また、キャビネットデータもECADが最新データを自動検索。常に最新の状態を保ちます。
■一括で穴開け加工図を作成できる
穴開け加工図作成機能が強化されました。「穴開け加工図作成コマンド」で配置図のページを自動検索。すべての配置図のページを対象に、一括で穴開け加工図を作成できます。
また、穴情報として複数のレイヤを選択できるようになりました。もちろん作成した穴開け加工図は「キャビスタ」にデータ送信可能。穴加工済みの標準キャビネットの手配に活用できます。
ECAD Libraryとは?(DCXのみ)
「ECAD Library」は、200万点を超える部品情報が登録されているクラウド型部品カタログデータベース。図面作成中に部品情報を検索し、そのまま図面内で利用できます。
設計する際使用する部品情報は、作業中に各メーカーの部品カタログを参照し作成します。この情報を一から作成するのは、多大な労力と時間がかかります。こうした現場の悩みを解消するために開発されたのが、「ECAD Library」です。
様々なメーカーの「部品情報」「外形シンボルデータ」を図面上に配置できる
「ECAD DCX 2023」では、標準の部品検索ダイアログから部品データベースを参照できるなど、シームレスなアクセスが可能となりました。
「部品不足」に力を発揮
昨今の資材不足で、普段使用しない部品を使用するケースが増えています。この場合でも、「ECAD Library」は力を発揮します。「ECAD Library」で検索、その結果から部品の詳細スペックを確認できるので、代替部品がより簡単に利用できます。
汎用CADとの互換性も向上(DCX・dio共通)
最新のDXF/DWGファイル(AutoCAD 2023)のバージョンにも対応済みです。
複数要素をユニット化 BOM管理も容易に(DCXのみ)
ECAD 2023ではBOMの管理に関係する機能も強化されています。回路図上の複数の要素をアセンブリとして定義し、そのアセンブリをユニット部品として定義できます。ユニット部品には手配部品としての属性を付与することができ、部品レイアウトにも部品としてのユニットを配置できます。これにより回路上は複数の機能要素を持つ多機能・高機能部品を図面内で単一の部品として利用できるようになります。
「部品リストの流用」がよりやりやすく(DCXのみ)
「回路」と「部品の回路群」をパターンとして登録、「回路の流用」と同時に「部品リストの流用」も簡単にできるようになりました。設計した回路図から必要な部品リストを作成。部品から配置図で利用する機器の図形を呼び出すことも可能です。
これまでパターンを活用した設計では、パターン呼び出し後、回路図を確認しながら部品情報を作成し、配置図の設計につなげるなど手動で個別の作業も多く、効率化へのボトルネックとなっていました。新バージョンでは、これらの障壁を取り除き、作業工数の大幅な削減が見込めます。
「警告メッセージの強化」等、品質と生産性向上機能も(DCXのみ)
回路修正時に異なる線番のラインが短絡しないよう、警告メッセージが表示されるようになります。例えばシンボルの削除時、異なる線番のラインが短絡しないようアラートが発されます。
他にも、設計品質や設計生産性の向上につながる機能が強化されました。